遺産分割協議を行う際によくあるトラブルとは?
遺産相続は、故人の大切な財産を引き継ぐ手続きですが、その過程で「遺産分割協議」が行われます。遺産分割協議は相続人たちの間で円滑に進むことが望ましいものですが、現実には様々なトラブルが生じてしまうことが少なくありません。
この記事では、遺産分割協議においてよく見られるトラブルについて、2つの観点から詳細に解説していきます。また、それぞれの問題に対する対処法も提案します。遺産分割協議に関するトラブルを未然に防ぐためには、事前に知識を整理しておくことが大切です。この記事の情報を参考にして、適切な遺産相続への対応を心がけましょう。
協議に応じない人がいる
遺産分割協議は、遺産相続人が遺産の分割について話し合い、合意に達する手続きです。故人の遺した大切な財産は、滞りなく分割したいものです。しかし、実際には遺産分割協議がスムーズに進まず、トラブルが生じることが少なくありません。特によくあるトラブルとして、協議に応じない人がいるという問題が挙げられます。なかでも多いのが「協議への参加拒否」です。遺産分割協議には、遺産相続人全員が参加する必要があります。しかし、相続人の中には、協議に参加しないことで遺産分割を遅らせる意図のある人がいることがあります。この場合、遺産分割が進まず、他の相続人が不利益を被ることがあります。
また、「合意の妨害」にも注意が必要です。協議に参加しているものの、合意に至らないようにわざと妨害する問題行為です。遺産分割協議は全員の合意が前提ですので、一人でも妨害する人がいると、協議が成立せず、遺産分割が遅れることになってしまいます。これらの「協議への参加拒否」や「合意の妨害」などを行い、協議に応じない人がいる場合、まずはその理由を聞き出し、誤解や不信感を解消することが重要です。話し合いが困難な場合は、専門家の助言を求めることも一つの方法です。もし協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。調停では、調停委員が中立的立場で仲介し、協議が円滑に進むよう努めます。
取消・解除・無効
遺産分割協議において、遺産分割に関する合意が成立した後も、「取消」や「解除」「無効」の主張が生じることがあります。以下では、それぞれの概要と対処法について解説します。
まず遺産分割協議での「取消」とは、協議によって合意した遺産分割が、後に無効にされることです。取り消しの原因として、次のような事情が考えられます。ひとつは「詐欺や脅迫による取消」です。相続人が詐欺や脅迫によって遺産分割協議に同意した場合、その同意は取り消すことができます。この場合、詐欺や脅迫があったことを証明する必要があります。もうひとつは、「 重大な誤りによる取消」です。遺産分割協議の過程で重大な誤りがあった場合も、協議の結果を取り消すことができます。例えば、遺産の評価額に誤りがあった場合などです。
次に、遺産分割協議での「解除」とは、合意後に発生した事情により遺産分割の合意を取り消すことです。解除の原因としては、次のようなものが挙げられます。ひとつは「不利益な事情の発覚」です。遺産分割協議後に、不利益な事情が判明した場合、協議の結果を解除することができます。たとえば、遺産に重大な債務が隠されていたことが明らかになった場合などです。もうひとつは「遺産分割に関する契約不履行」です。遺産分割協議で合意した内容が履行されない場合、合意を解除することができます。相手方に対して履行を求めることができるほか、損害賠償も請求することができます。
最後に、遺産分割協議における「無効」とは、遺産分割の合意が法律上認められないことを指します。無効の原因としては、以下のようなものが考えられます。まずは「相続人の欠格」です。遺産分割協議に参加した者が、実際には相続人でなかった場合、協議の結果は無効となります。そして「法定相続分の侵害」です。遺産分割協議で、法定相続分を侵害する合意が成立した場合、その部分は無効となります。
これら「取消」・「解除」・「無効」のトラブルを回避するためには、遺産分割協議の前や過程で以下の対策を取ることが重要です。
まずは「十分な情報収集」です。遺産分割協議においては、遺産の詳細な情報が必要となります。遺産の評価額や遺産に関する債務など、正確かつ十分な情報を収集しましょう。必要に応じて専門家に相談することも検討してください。
そして「相続人の確認」です。遺産分割協議に参加する相続人が適切かどうかを確認することも重要です。家族関係の確認や戸籍謄本の取得など、正確な相続人の特定を行いましょう。
「法定相続分の確認」も欠かせません。遺産分割協議で合意する内容が、法定相続分を侵害しないかどうかを確認することが大切です。必要に応じて法律家のアドバイスを求めることが望ましいでしょう。
最後に「書面での合意」です。遺産分割協議での合意内容は、可能な限り書面で残すことが望ましいといえます。書面によって合意内容を明確にし、後のトラブルを防ぐことができます。
まとめ 事前に専門家に相談して、遺産分割協議でのトラブルを未然に防ぎましょう
このように、遺産分割協議では思わぬトラブルが発生する場面が少なくありません。なかでも、協議に応じない人がいる場合や、取消・解除・無効を主張する人が現れるケースが多く見られます。そのため、事前に遺産分割協議のトラブルに関する情報を集め、知識を整理しておくことが大切です。遺産分割協議で発生し得る問題を想定して、事前に適切な対策を講じておくことで、トラブルを回避し、遺産分割協議をスムーズに進めることができます。また、遺産分割協議に関する悩みや問題がある場合は、専門家に相談することも重要です。弁護士のような遺産分割協議のプロフェッショナルが適切なアドバイスを提供してくれるでしょう。
初回無料相談実施中
通話
無料
お気軽にお電話ください
0120-122-138
【受付時間】8:00〜22:00(土日祝日含む)
24時間受付中
メールでのご相談はこちら